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ネイティブ富山弁アニメ [生活と意見]

たいへんめずらしい、ネイティブ富山弁アニメを見つけた。

それは富山県の黒部市にある(らしい。行ったことないけど、行ってみたい)グリーンカフェというお店の、ホームページのなかにあるのだが、富山に住む無骨な兄弟が、しゃれたグリーンカフェに入るに入れない、という状況を描いたドタバタコメディの連作である。

http://www.kurobe.net/greencafe/

お店の宣伝を兼ねているのだが、密かにおかしい。

しかしこのスピードの富山弁、富山に住んだことのある人以外にはわからないんじゃないだろうか。

ちなみに富山を舞台にしていることで知られる宮本輝『螢川』の富山弁は、あれはネイティブじゃないね。ネイティブの富山弁は、闇のなかに無数の蛍が乱舞するというような美しい情景とは無縁だ。たしかに郷土の言葉をもちいることで、非日常という雰囲気が出るのかもしれないけれど、それは道具としての富山弁で、富山弁そのものではない。

方言だからといって、言葉を道具にしちゃいけないよな。

標準語というのも国を単位にしたローカルな考え方で、見方によっては日本語は日本という地方で使われている方言にすぎないわけだから、標準語と方言のあいだで上下のヒエラルキーがあるわけではない。それを解する人々の母集団の大きさが異なるだけで、言語としては完全に対等である。

ある言語が魅力的なのは、その言語によって魅力的なものがたくさんつくられている場合である。

富山弁による表現が、たくさん出てくると面白いだろうなあ。


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コメント 2

よねさん

大阪人と東京人が口喧嘩すると、言葉の荒々しさで大阪人が勝ちます。
そこでは、見えない(聞えない?)ヒエラルキーがちゃんと存在するのでしょう。
by よねさん (2006-10-29 22:04) 

tanakasan

コメントどうも。
そうですねえ、言葉の全体ではなくて、場面とか要素によってはヒエラルキーがあるのかもしれませんね。
by tanakasan (2006-10-31 10:12) 

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2006年10月読売新聞2006年10月24日 ブログトップ

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