2015年5月 [文芸時評]
毎日新聞2015年5月27日夕刊に、5月の文芸時評が掲載されました。
《一昨年に亡くなった秋山駿の、二〇〇〇年代以降に書かれた単行本未収録のエッセイを収めた『沈黙を聴く』(幻戯書房)を読んでいると、最近の小説からは「生活」が失われてしまったという嘆きにしばしば出合う。たしかにリアリズムを軽視する現代文学からは、現実を再現することなど容易(たやす)いという侮りと、生活より文学の方が上だという奢(おご)りが透けてみえる。しかしかつて私小説がその役割を果たしたように、現実を再現するためにはなんらかの哲学が必要だし、生活から切り離された文学はやせ細るばかりである。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・西部邁『生と死 その非凡なる平凡』(新潮社)
・高橋弘希「朝顔の日」(「新潮」6月号)
・島本理生「夏の裁断」(「文學界」6月号)
・太田靖久「はじける」(「すばる」6月号)
・加藤秀行「サバイブ」(「文學界」6月号)
の5作です。
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