2015年6月 [文芸時評]
毎日新聞2015年6月24日夕刊に、6月の文芸時評が掲載されました。
《車谷長吉が亡くなった。デビューしたのは一九七〇年代で中上健次の同時代人だが、そののち作品を書きあぐね、一九九〇年代以降「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」をはじめとする私小説的な作品で注目を浴びた。戦後文学における私小説は、あたかも一九四五年の敗戦に責任があるかのような批判を受けてきたが、おそらく車谷長吉が選んだのは、そのような「悪」を引き受けられるものとしての私小説である。その死によって人間の「悪」を描く、戦前からつづく小説の貴重な命脈が尽きつつあると感じる。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・古井由吉『雨の裾』(講談社)
・リービ英雄「宣教師学校五十年史」(「すばる」7月号)
・岩井秀人「俳優してみませんか講座」(「文學界」7月号)
・高橋三千綱「さすらいの皇帝ペンギン」(「すばる」7月号)
・金原ひとみ「軽薄」(「新潮」7月号)
・山崎ナオコーラ「越境と逸脱」(「すばる」7月号)
の6作です。
《車谷長吉が亡くなった。デビューしたのは一九七〇年代で中上健次の同時代人だが、そののち作品を書きあぐね、一九九〇年代以降「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」をはじめとする私小説的な作品で注目を浴びた。戦後文学における私小説は、あたかも一九四五年の敗戦に責任があるかのような批判を受けてきたが、おそらく車谷長吉が選んだのは、そのような「悪」を引き受けられるものとしての私小説である。その死によって人間の「悪」を描く、戦前からつづく小説の貴重な命脈が尽きつつあると感じる。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・古井由吉『雨の裾』(講談社)
・リービ英雄「宣教師学校五十年史」(「すばる」7月号)
・岩井秀人「俳優してみませんか講座」(「文學界」7月号)
・高橋三千綱「さすらいの皇帝ペンギン」(「すばる」7月号)
・金原ひとみ「軽薄」(「新潮」7月号)
・山崎ナオコーラ「越境と逸脱」(「すばる」7月号)
の6作です。
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