2015年7月 [文芸時評]
毎日新聞2015年7月29日の夕刊に、7月の文芸時評が掲載されました。
《最初に意外だった作品から。
まず原田宗典が、ほぼ十年ぶりとなる長篇(ちょうへん)「メメント・モリ」(『新潮』)を発表している。「私は今、何を書こうというあてもなしに、これを書き始めた。こんなふうにして書くのは初めてだ」と書き出される作品は、作者自身を思わせる「私」について時間を自由に行き来して語っていく。なんとなく作品を導いていくのは、表題が「死を想(おも)え」という意味のラテン語であるように、五十代に差しかかる「私」がすれ違ってきた人の死だ。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・原田宗典「メメント・モリ」(「新潮」8月号)
・吉村萬壱「紅い花」(「文學界」8月号)
・村田沙耶香「消滅世界」(「文藝」夏号)
・綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」(「群像」8月号)
・藤野可織「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」(「文藝」夏号)
・山崎ナオコーラ「ネンレイズム」(同前)
・斎藤禎『江藤淳の言い分』(書籍工房早山)
の7作です。
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