2015年11月 [文芸時評]
毎日新聞2015年11月30日の夕刊に、11月の文芸時評が掲載されました。
《注目する作品の書き出しを紹介しながら読み解いてみたい。
(1)吾輩は人間である。
(2)名前はまだない。
(1)は上田岳弘の長篇(ちょうへん)「異郷の友人」(『新潮』)で、(2)は円城塔の長篇『プロローグ』(文藝春秋)である。ならべてみると明らかだが、これらの書き出しは夏目漱石の『吾輩は猫である』を参照している。作品としては、いずれも非リアリズム的で実験的な語り口で、作者が「文学ではないかもしれない」と思いながら書いている自意識のようなものが、おそらく間違いなく文学だと信じられる言葉をそこに呼び寄せている。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・上田岳弘「異郷の友人」(「新潮」12月号)
・円城塔『プロローグ』(文藝春秋)
・高柳克弘「降る音」(「文學界」12月号)
・二瓶哲也「再訪」(「すばる」12月号)
・水原涼「日暮れの声」(「文學界」12月号)
・長嶋有『愛のようだ』(リトルモア)
の6作です。
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