2015年7月 [文芸時評]
毎日新聞2015年7月29日の夕刊に、7月の文芸時評が掲載されました。
《最初に意外だった作品から。
まず原田宗典が、ほぼ十年ぶりとなる長篇(ちょうへん)「メメント・モリ」(『新潮』)を発表している。「私は今、何を書こうというあてもなしに、これを書き始めた。こんなふうにして書くのは初めてだ」と書き出される作品は、作者自身を思わせる「私」について時間を自由に行き来して語っていく。なんとなく作品を導いていくのは、表題が「死を想(おも)え」という意味のラテン語であるように、五十代に差しかかる「私」がすれ違ってきた人の死だ。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・原田宗典「メメント・モリ」(「新潮」8月号)
・吉村萬壱「紅い花」(「文學界」8月号)
・村田沙耶香「消滅世界」(「文藝」夏号)
・綿矢りさ「ウォーク・イン・クローゼット」(「群像」8月号)
・藤野可織「マイ・ハート・イズ・ユアーズ」(「文藝」夏号)
・山崎ナオコーラ「ネンレイズム」(同前)
・斎藤禎『江藤淳の言い分』(書籍工房早山)
の7作です。
室井光広「世界文学ゼミナール」第2回 [イベント案内]
日程が近づいてきました。
毎回完結ですので、
第1回目に参加された方もそうでない方も、
どうぞ気軽にご参加ください。
第2回目には課題が出ていますので、
可能であればお目通しください。
・2015年度の予定
〈第1回〉室井光広『柳田国男の話』1 ■ 5月 9日(土)10時半~
終了! 場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー7階706教室
〈第2回〉室井光広『柳田国男の話』2 ■ 7月11日(土)10時半~
場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー7階706教室
注目! 課題:ヴァルター・ベンヤミン「翻訳者の使命」を読んでくること
〈第3回〉プルースト『失われた時を求めて』1★10月10日(土)10時半~
場所:未定
〈第4回〉プルースト『失われた時を求めて』2★12月12日(土)10時半~
場所:未定
〈第5回〉プルースト『失われた時を求めて』3★ 2月13日(土)10時半~
場所:未定
※2016年度は、セルバンテス『ドン・キホーテ』と、カフカを取り上げる予定です。
・受講について
〈受講方法〉原則自由参加ですが、できれば事前に下記連絡先までお知らせください。
〈参加費〉 各回1000円(お茶・資料代)。
〈テキスト〉第1〜2回は、室井光広『柳田国男の話』(東海教育研究所)を取り上げますので、ご準備ください。第3回以降は、ゼミ内でテキストを案内します。
〈連絡先〉 ◇田中 和生(ゼミ長) メールアドレス:she-ep@cf6.so-net.ne.jp
◇寺田 幹太(副ゼミ長)メールアドレス:kantaterada@gmail.com
毎回完結ですので、
第1回目に参加された方もそうでない方も、
どうぞ気軽にご参加ください。
第2回目には課題が出ていますので、
可能であればお目通しください。
・2015年度の予定
〈第1回〉室井光広『柳田国男の話』1 ■ 5月 9日(土)10時半~
終了! 場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー7階706教室
〈第2回〉室井光広『柳田国男の話』2 ■ 7月11日(土)10時半~
場所:法政大学市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー7階706教室
注目! 課題:ヴァルター・ベンヤミン「翻訳者の使命」を読んでくること
〈第3回〉プルースト『失われた時を求めて』1★10月10日(土)10時半~
場所:未定
〈第4回〉プルースト『失われた時を求めて』2★12月12日(土)10時半~
場所:未定
〈第5回〉プルースト『失われた時を求めて』3★ 2月13日(土)10時半~
場所:未定
※2016年度は、セルバンテス『ドン・キホーテ』と、カフカを取り上げる予定です。
・受講について
〈受講方法〉原則自由参加ですが、できれば事前に下記連絡先までお知らせください。
〈参加費〉 各回1000円(お茶・資料代)。
〈テキスト〉第1〜2回は、室井光広『柳田国男の話』(東海教育研究所)を取り上げますので、ご準備ください。第3回以降は、ゼミ内でテキストを案内します。
〈連絡先〉 ◇田中 和生(ゼミ長) メールアドレス:she-ep@cf6.so-net.ne.jp
◇寺田 幹太(副ゼミ長)メールアドレス:kantaterada@gmail.com
2015年6月 [文芸時評]
毎日新聞2015年6月24日夕刊に、6月の文芸時評が掲載されました。
《車谷長吉が亡くなった。デビューしたのは一九七〇年代で中上健次の同時代人だが、そののち作品を書きあぐね、一九九〇年代以降「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」をはじめとする私小説的な作品で注目を浴びた。戦後文学における私小説は、あたかも一九四五年の敗戦に責任があるかのような批判を受けてきたが、おそらく車谷長吉が選んだのは、そのような「悪」を引き受けられるものとしての私小説である。その死によって人間の「悪」を描く、戦前からつづく小説の貴重な命脈が尽きつつあると感じる。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・古井由吉『雨の裾』(講談社)
・リービ英雄「宣教師学校五十年史」(「すばる」7月号)
・岩井秀人「俳優してみませんか講座」(「文學界」7月号)
・高橋三千綱「さすらいの皇帝ペンギン」(「すばる」7月号)
・金原ひとみ「軽薄」(「新潮」7月号)
・山崎ナオコーラ「越境と逸脱」(「すばる」7月号)
の6作です。
《車谷長吉が亡くなった。デビューしたのは一九七〇年代で中上健次の同時代人だが、そののち作品を書きあぐね、一九九〇年代以降「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」をはじめとする私小説的な作品で注目を浴びた。戦後文学における私小説は、あたかも一九四五年の敗戦に責任があるかのような批判を受けてきたが、おそらく車谷長吉が選んだのは、そのような「悪」を引き受けられるものとしての私小説である。その死によって人間の「悪」を描く、戦前からつづく小説の貴重な命脈が尽きつつあると感じる。……[全文は毎日新聞で]》
取り上げたのは、
・古井由吉『雨の裾』(講談社)
・リービ英雄「宣教師学校五十年史」(「すばる」7月号)
・岩井秀人「俳優してみませんか講座」(「文學界」7月号)
・高橋三千綱「さすらいの皇帝ペンギン」(「すばる」7月号)
・金原ひとみ「軽薄」(「新潮」7月号)
・山崎ナオコーラ「越境と逸脱」(「すばる」7月号)
の6作です。